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関越道のPAで目覚めたのは5時、今日から1泊で尾瀬が原を歩く。気になるのは天候だ。ベッドに寝たままカーテンを開けるとどんよりとした雲り空。ケータイで群馬・新潟・福島の天気予報をチェック。いづれも午後から雷雨の予報だ。おいおい、あの景色はぜひ晴れ渡った青空の下で見てみたいぞ。雨の対応も勿論してきているが、雷だけは勘弁だ。だだっ広い尾瀬が原のまん中で雷雨なんて考えただけでゾッとする。そんな事をぼんやり考えているとnokoさんも目覚めた。二人であれこれ相談するが、ここは一つ現地情報をと言うことで早朝の忙しい時間に失礼とは思ったが小屋に電話してみた。
「天気のことは解らんが今は晴れてるよ〜」
この一言で気持ちは決まった!
「では今から行きますのでよろしくお願いします!」
今から行くって、まだクルマで50kmも走るんだけど‥(爆)
関越道を沼田ICで降り、どことなく旧さを残す沼田街道をひた走り尾瀬の玄関戸倉を目指す。8月に入ると平日は鳩待峠マイカー規制は無いが「道も細くマイカーは通行のさまたげとなるため極力自粛すべき」とガイドブックに有ったので戸倉から鳩待峠はバスを利用する予定だ。バスの発着する戸倉スキー場駐車場の位置についてnokoさんと見解の相違から同じ道を行ったり来たり。かなり時間をロスして到着すると7:30のバスは既に出発したあと。道に迷わなければ間に合ったかも知れないと、険悪な空気が車内に漂う(--; しかし次の便8:45までは待ってられないのでタクシーを拾うべく並木駐車場に戻ることに。ところが並木駐車場はお祭り会場になるらしく、なんと閉鎖。困っているとタクシーの運転手さんから「鳩待までクルマ上げるかい」と言われ「わかりました〜!」とあっさり鳩待峠直行決定。地元の方からの御墨付きを頂けばボクらヨソモノも胸を張って行ける。実はバスに酔いやすいカレンが心配だったのでこれは好都合だった。心配していた道は全く快適で拍子抜けするほど。
で、鳩待峠に着いてみれば、マイカーだらけだった(爆)
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初の小屋泊まり。
山装束に着替え"旅のしおり"片手に装備のチェックに余念の無いハルヒヨ。 |
かなりお登りさんな雰囲気(笑)
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準備万端、気が付けば青空だ。
登山口(実際は下り)には人工柴のマットがあって靴から外来種子を落とす仕掛けになっている。効果の程は定かでないが、環境意識を高める意味はあるかも知れない。
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石の階段を下ると沢沿いに木道が敷かれている。"原"だけでなく、森の中も地面を直接歩く場面は殆どないのには驚いた。
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1時間の下りで山の鼻に到着。ビジターセンターを見学し、いよいよ尾瀬が原だ。しかしすでにバテ気味な方々‥大丈夫か?
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"原"を歩き出すと自然の曲線が美しい池塘や幾重にも流れる小川を見る。画像ではわかりにくいけど川にはイワナがうじゃうじゃ。手を叩いて寄って来た池の鯉みたいに全く逃げない‥不思議だ。
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山の鼻から1時間40ほどで竜宮小屋に到着。娘たちは渇いた咽にラムネをグビっとやってひと休み。この辺りは河岸の拠水林が立派でまるで釧路川源流部のよう。水面から見た景色はどんなだろう‥なんて。
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イワナも逃げないがトンボも逃げない。指を出せば簡単に留まる。ハルちゃんは何匹のトンボと仲良しになったことか。
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こちらはホオアカ。かなり至近距離で鳴いているが、こちらのお方も逃げない。
やっぱり尾瀬は何かが違う、おもしろーい!
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竜宮小屋を過ぎると人影もなくなり尾瀬が原にボクらだけって感じだ。指先にトンボを連れ左右の木道を自由に歩いて行く頃には"貴重な自然の宝庫"とか"ストイックな環境保護"というイメージの尾瀬では無くなっていた。むしろ"懐かしさ"という言葉がぴったりなのだ。
ボクが生まれ育った場所は住宅や倉庫群で視界の狭い土地になってしまったけど以前は見渡す限りの田園風景だった。むせ返るような暑い夏の盛りに稲の間を、畦道を、駆け回っていたあの頃--。
今、蒼々とした草原の中で幅40cm程の板の上を歩きながら、ふとそんな原風景を重ねてしまったのだ。(「尾瀬」で 「あぜ」を思い出したというワケだ、(--;) 自然保護な方からは貴重な湿原と田んぼをいっしょにすな!って怒られそうだけどね(^^;
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竜宮小屋から40分ほどで見晴の山小屋に到着した。数件ある山小屋の回りはヨシ原がひときわ大きく茂っている。小屋の排水が影響しているそうだ。普通の山小屋にはあり得ないお風呂が水の豊富な尾瀬の小屋にはある。勿論シャンプーや石鹸は使っちゃダメだし、ハミガキだって何も付けちゃダメ。それでも人間の排水は栄養豊富らしい。
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ボクらの予約した小屋は聞いていたとおり見晴らしがめちゃめちゃイイ。時間は12:40、ザックから昼食の用意を出すまでもなく、喫茶コーナーのメニューに目が輝くnokoさん、いきなりチャーハンを注文した。気が付くとボクの手にもしっかり売店のビールが‥
計画では小屋に荷物を置いて尾瀬沼を見に行くつもりだったが、気力が失せたので(^^; やめ。とは言え時間はいっぱいあるからキャンプ指定地やほかの小屋も偵察することに。喫茶メニューが豊富な売店も有って美味しいコーヒーやアイスクリーム、娘たちはカップラーメンまで注文して食いまくり。
尾瀬で散財してる我が家って‥何処に行っても観光気分〜♪
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小屋周辺でもトンボと戯れる 。
両手と帽子にまで留まらせるツワもの現る。
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小屋でのんびりくつろぎ疲れを癒す。
こんな時間もたまには必要だよね〜
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清潔で見晴しの良いお風呂では定年後の人生を山歩きに求めたおじさんから色んな山の話しを聞いた。羨ましい人生、いや尊敬しちゃう。30年後の自分はこの人のようになれるだろうか?
汗を流しさっぱりした後はお待ちかねの夕食だ。全ての食材はボッカさんが運んでくれたもの、粗末にはできません。おひつのご飯も一粒残らずたいらげました、どうだ参ったか(笑) 美味しかったです!
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食後、星空を眺めに外を散策する。小屋から少し離れると天の川がくっきり現れ、流れ星も発見した。驚いたのはホタルが飛んでいたこと!8月なのにねぇ。
消灯の9時まで談話室でウォーリーを探し続けるみんな(笑) 元気だ。
明日はヨッピ川沿いに森の中を歩き下山。高速をひた走って帰宅する予定だ。予報は相変わらず雷雨。でもあの夜空なら‥大丈夫だろ?
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